【代表ブログ】金型設計におけるAIの可能性


a-robo代表の高橋です。
最近の技術革新により、AI(人工知能)がさまざまな業界で活躍していますが、射出成形業界も例外ではありません。
特にシミュレーション技術において、AIの活用が注目を集めています。
今回は、金型設計におけるAIの可能性について、シミュレーション技術を中心に考えてみたいと思います。

材料の消費を最適化し、無駄を削減

深層学習(Deep Learning)を用いた自動特徴抽出や回帰分析を活用することで、金型設計や材料消費を最適化することができそうです。具体的には、ニューラルネットワーク(例: CNNやRNN)を利用して、過去の設計データから最適な材料使用量やパラメータを予測し、無駄を削減する、といった仕組みが考えられます。

金型の強度や熱伝導性などの性能を最適化

金型の性能最適化には、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)や粒子群最適化(Particle Swarm Optimization)などの最適化手法を利用できるのではないでしょうか。これらのアルゴリズムは、様々なパラメータを試行錯誤しながら最適な解を見つけ出す手法で、金型の強度や熱伝導性などの目的に応じた設計を支援できそうです。

ショットサイクルや射出条件の最適化

強化学習(Reinforcement Learning)を用いて、ショットサイクルや射出条件の最適化もできそうですね。Q-learningやDeep Q-Network(DQN)などのアルゴリズムを活用することで、実験データから適切なショットサイクルや射出条件を学習して最適化できるのではないでしょうか。

モールドフロー解析を活用した最適なゲート配置の特定

モールドフロー解析には、流体力学で主流なモデルであるNavier-Stokes方程式が使われることが一般的です。しかし近年、これを機械学習により発展させたアルゴリズム Regression Forestsが登場しました。これにより、金型内の樹脂の流れや温度分布を従来よりも高精度に予測し、より最適なゲート配置を特定できると思われます。また、最適化手法である遺伝的アルゴリズムや粒子群最適化を併用することで、さらに効果的なゲート配置を求めることができそうです。

まとめ

金型設計のシミュレーションや最適化において、AIでどんなことができそうか妄想してみました。 材料コストの削減、金型の長寿命化、生産性や品質の向上など、AI活用により多くの恩恵がありそうです。 現在、金型監視の用途でAIを活用していますが、他のアプローチも今後考えていきたいと思います。

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